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Lifestories
Japanese translation of the Eulogy given by Clive Ferreira (Brother in law)
Created by keithf2000 4 years ago
弔辞
2020年4月17日12:30
ロンドンにて
クライブ・フェレイラ
友紀子、ゆき、そしてユキちゃんと親しみを込めて知られてきた親愛なる我義妹への弔辞を捧げるよう弟のキースから頼まれた時、私は正直大変緊張をしました。それは、私や私の家族皆からとても愛されたその人物のことを語るという大役に対する緊張感だけではなく、知的で美しく優しい心を持つ、偉大な、特別なその人の人生を適切に要約し、語ることができるのであろうかという不安からくるものでした。
その時私は友紀が癌に立ち向かう際に見せてきた勇気について思いを馳せました。友紀は勇気と希望を持ち、4年間もの間、手術や化学療法そして放射線療法に立ち向かってきたのです!私に少なからずともできることは勇気を持って立ち上がり、友紀への敬意を表すことだという気持ちから今ここにおります。
また、私は今日ここにいることができるということが、いかに光栄で特別なことであるかということも重々承知しております。何と言っても、現在のコロナウィルスの現状から移動の制限を余儀なくされている友紀のご両親であるカズオさんとキヨコさんを始め、私の母であるグロリアなど、私に代わり今日ここに参列したかったであろう、たくさんの人たちがいます。言うまでもなく、友紀の弟のマサヒロさんと義理の妹のミチヨちゃん、姪と甥のユウキ、ミキ、キイチ、ジョエル、ジェイソン、ベアトリス、エレノアも、心からこの場にいられたらと望んでいます。このような状況下ではありますが、キースそしてアレクサンダー・龍人、そして家族・親族は、今日ここに一緒にいることができなくても、英国と日本のみならず、オーストラリア、ブラジル、カナダ、フランス、インド、オランダ、ポルトガル、そして米国でも魂と祈りと愛で結ばれていると言うことを知り、心の慰めとなることを願っています。この絆は、友紀、キース、龍人への愛情と尊敬の証です。
両親の結婚50周年の際、私の父は母を、「力そして拠り所」であると述べました。この言葉は同様にキースにとっての友紀を反映しているということを私は知っています。友紀はどんなに病状が悪化した時でさえも、キースへの愛、笑顔、光、そして揺るぎのない強固な存在感を彼に示し続けました。そして何と言っても、友紀は心から深く愛する龍人をキースに授けました。癌に立ち向かう中、友紀の心には常に龍人があり、龍人の誕生日や堅信礼、チェロとピアノの昇進試験、新学年、運動会、コンサート、長い学校の休みなど、これらの龍人が関わるすべての事柄を癌との戦いにおける次のハードルを乗り越えるための目標にしてきました。友紀はもう肉体的には存在しませんが、龍人が母の無限の愛から断ち離されることは決してありません。また、友紀の誠実さ、優しさそして忍耐と勇気といった資質が龍人を通じて永遠に存続し続けることも確信しています。
友紀は大変多才で、非常に多くの分野において著しい能力を発揮しました。ご存知の通り彼女は投資銀行家としてのキャリアを大成させました。彼女の仕事は世界中に及び、その多くの出張の中、1994年にロンドンに出向いた際に、彼女はキースと最も長い旧友のひとりであるクリス・クーパーを通じて、キースに出会いました。そして、ふたりは恋に落ち、交際期間は9年間にもおよびました。今日は、友紀の最後の職場であり友紀が大変幸福でたくさんの支援を得ることができたアブソルート・ストラテジー・リサーチ社を代表し、大切な同僚そして友人としてベスがここにいてくださることを心からうれしく思います。
友紀の人生には仕事以上のものがありました。友紀は実際にインストラクターの資格を持つ熟練したスキーヤーで、つい一年半前にも、キースと龍人と共にスキー旅行に出かけていました。友紀と龍人が困難なスキーコースを進む中、キースがコントロールをすることに集中しているというよりも、恐怖に慄いているといった形相で横を過ぎ去って行ったというエピソードを面白おかしく語り、私たちを笑わせてくれました。友紀は、水泳、スキューバダイビング、ゴルフの腕もまた大変なものでした。また非常に高いピアノの腕に加え鋭敏な聴覚の持ち主で、龍人のピアノやチェロの練習の際のいかなるミスをも、家のどの部屋からでも、最上階にいる時でさえも聞き逃すことはありませんでした!彼女はまた陶磁器にも素晴らしい絵付けを施し、洗練された目で細かく繊細な作業をこなしました。
友紀は料理の腕前も大変高く、最後までキースと龍人のために素晴らしい家庭料理を作り続けました。彼女はまた、最後までもてなしという精神を忘れませんでした。私が最後に友紀に会った3月の初めに、私と母は友紀に会うために数分間立ち寄るつもりだと伝えていたにも関わらず、彼女は母と私に昼食を食べていくようにと説得をしてまでもてなしてくれたことは決して忘れられません。 彼女は素晴らしい料理をふるまってくれましたが、とても脆く弱っていた彼女がどのようにしてそのような料理作ることができたのか、私には知る由もありません。
友紀は誇り高き日本人でしたが、真の国際人でもありました。彼女はあらゆる人々、文化、伝統、宗教を受け入れました。私はいかなる大陸、国、街、都市において友紀ほどその土地で寛いで過ごせる人を知りません。私は友紀とキースが最初に日本からイギリスに戻った際に彼女が両親の家で過ごした数週間の間に、その地域を私の両親よりもはるかによく知るようになったことを忘れません。彼女はスパイスを売る店がどこにあるのか、野菜はどこで買えばいいのか、そして最適なバスとタクシーのルートがどれであるのかも把握していました!彼女はロンドンのクラリッジスやリッツで食事をすることも、トゥーティング・ベックでバイル・ポオリやマサラ・ドオサを注文することも同等に気兼ねなく楽しみました。彼女は、ボンベイでのジュエリーの値引き交渉や、ブリクストンやゴアのカラングート・ビーチ、シチリア、カシュカイスの魚市場で新鮮なシーフードを買い求めるのと同じくらいパリのエルメスやグッチでシルクのスカーフを買うことが大好きでした。彼女は見るべきニューヨークのミュージカルやロンドンのオペラの情報を知っているのと同様に、歌詞ではないにせよコンカニの歌のメロディーを知っていました!
何と言っても、友紀は大変家族思いでした。彼女は愛する両親と弟に2月に会いに行くことを計画していました。悲しいことに、その月に彼女の病状は悪化しました。私は友紀がいかに私たちみなのために心を砕いてきてくれてきたかということを決して忘れません。金融街で多忙な業務に携わっていたのにも関わらず、友紀は龍人がまだ幼かった頃、小学校の迎えの時間に間に合うように必ず定時に退社をしていました。このような彼女の思慮深さは他にも多くの場面で実証されてきました。父が病気で入院していた際には、友紀は龍人を学校に迎えに行ったその足で電車に乗り、病院の父を見舞い、そして帰宅後にはキースと龍人のために夕食の準備をしました。化学療法を受け、疲れきっていた時でさえも、シャーロットの父親が人生の終盤に近づいていることを知った友紀は、介護施設に見舞いに行くことを忘れませんでした。友紀は最良の時にも最悪の時にも私たちのためにいつでも寄り添ってくれていました。私たちは今後友紀に会えないことをどれだけさみしく思うことでしょう。
しかし、私の友紀ちゃんの一番の思い出は、2003年4月の桜の季節、キースとの結婚を控えた直前の日々に遡ります。東京に到着した夜をキースと友紀と過ごすことになり、寝床に着いた私の耳に、階下から子供の頃のキースの写真を見た友紀ちゃんの笑い声が響き渡ってきました。友紀は過去に関しても現在においても同様に人生の中にこのような喜びを見出しました。そして、彼女は常に希望と楽観性を持ち、未来にも目を向けました。
最後に、私は友紀ちゃんは私たちに命という贈り物を悲しみではなく、感謝の念を持ち、その美しさに畏敬の念を抱き、私たちに与えられた人生を喜んで歩んで欲しいと願っていると確信しています。死後の命を信心していた友紀ちゃんは、死を恐れたり、軽んずることはありませんでした。
メルボルンにいる従姉妹のパトリシアから送られてきたジョン・オドノヒューのこの美しい詩が私たちの癒しと慰めとなることを願っています。この詩の抜粋を朗読させていただきます:
あなたのここでの日々が短いものであったとしても、
生命を息吹き、覚醒し、完全であったあなたの魂。
…
記憶の中だけにあなたを探すのではない、
そこで成長する私たちはあなたのいない孤独な姿。
あなたが望むのは私たちのそばにいるあなた、
美しさが輝き、
優しさが花咲き、
音楽が永遠の音色を響かせる時に私たちの横にいてくれるあなた。
蘭の花が地球を照らす時、
暗く長い冬が春に変わる。
この暗い悲しみに希望が花咲くよう、
あなたを愛するすべての心の中で。
あなたがずっと永遠に私たちの導きとなるよう。
毎日を寛大な心で迎えよう。
勇気と愛の使命に仕える
あなたの美しい顔にまた出会えるまで
もう別離のないその土地で
すべての涙が私たちの心から拭き取られるその場所で、
そして、二度とあなたを失うことのないその場所で。